比叡山は、古くから神の宿る山として崇敬されてきた霊山です。『古事記』に「日枝の山に坐す」と記された大山咋神[おおやまくいのかみ]は、地主神として地域の人々に敬われていました。
また日吉大社境内にある牛尾山(通称八王子山)山上近くにある金大巌[こがねのおおいわ]と呼ばれる巨岩は、古代信仰の磐座(神が降臨する場所の目印)とされ、眼下に雄大な琵琶湖や東岸の平地を見下ろすことのできる聖地でもあります。
延暦寺の鎮まる比叡山は、京都側から見ても琵琶湖湖畔から見ても、秀麗な山容をしています。
この地は、古くから日本の歴史の中枢とからみあって多大な信仰を集めてきた聖地でした。
延暦寺は比叡山そのものが境内であるだけでに、大自然の美しさにつつまれ、参道や道下の谷には垂直に天にのびる老杉が林立し、樹林のあいまには歴史を秘めた堂宇伽藍がつぎつぎと優雅な姿をあらわします。
日吉大社は、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮です。
また天台宗の護法神であり、社殿の立つ場所が平安京の表鬼門にあたるため平安時代より都の守護神としても信仰され、方除け、厄除けのご利益で知られます。
もみじの名所としても有名で、「青もみじ」の新緑や11月中旬の紅葉が美しく境内を彩ります。
西教寺は、琵琶湖の近く、比叡山の隣にあり、天台真盛宗の総本山で、聖徳太子が創立したとの言い伝えがある、歴史がある仏教寺院です。
その小高い場所には、明智光秀一族の墓、明智光秀辞世の句、本堂、伏見城から移築した客殿、小堀遠州作の庭、など見所がたくさんあります。
明智家にとってかなり関わりが深いお寺なのです。
自分が生まれた土地や環境、その土地にまつわる歴史や文化。このような身近に目を向けはじめる人々が増えてきました。こうしたことが反映してか、NHK「ぶらタモリ」に代表されるような地形散歩が流行っています。こうした動きに影響を与えた一つに中沢新一氏の著作『アースダイバー』があります。
中沢氏は、各地域の地形や気候と人々の暮らしや文化がどのような影響関係にあるのかを探ることで、人間の無意識に潜ろうとする試みの総称として「アースダイバー」という言葉を用いてきました。
アースダイバー的探究の過程から、私たちはこの「土地」「場所」で生きていくために「大事にしていかなければならないもの」が明らかになってくるのです。
古代の地形図や江戸時代の古地図と現代の地図を重ね合わせることからそれを明らかにし、自分の足で町を歩き、土地の持つ記憶をたどるのが「アースダイバー的比叡山・坂本」です。
文化とは、「人の営み」であり「暮らしのかたち」のことです。居住のかたち、衣食のかたち、交流のかたち、風習のかたち、信仰のかたちなど、比叡山・坂本の人々の日々の営みのなかでさまざまな「かたち」が生み出されてきました。
私たちは比叡山・坂本に残る「暮らしのかたち」通して、当時の人々の「気持ち」「生き方」から見えてくる風景(心象風景)にも触れることになります。
そしてそれは、長い時間をかけて培われた比叡山・坂本という「土地」「場所」の意味を浮き彫りにしてくれます。また比叡山・坂本の暮らしの内にひそむ大切なもの、「美しさ」「かけがえのなさ」「心の豊かさ」を感じさせてくれるに違いありません。
そんな比叡山・坂本体験ツアー「時空の旅人」を今春実施したいと思います。
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